日本の電力需要と料金の変遷

専門家でも議論は分かれます 国内の電力需要は、第4次中東戦争(1973年)を契機にOPECが原油価格の値上げに踏み切ったことに端を発した「第一次石油ショック」に至るまでは右肩上がりの伸びを示していました。

一次エネルギーに占める電力の割合(電力化率)が高まったこと、テレビや冷蔵庫、電子レンジなどの家電製品の普及など、様々な要因があり、その伸び率は一次エネルギー全体の伸びを超えています。

石油ショックを契機として、大規模事業所でのエネルギー消費は減少に転じましたが、2度目の石油危機やバブル経済とその崩壊など、原油価格や景気の動向を反映させながら、ゆるやかな伸びを示しています。一方、家庭用および業務用のジュお湯は一貫して伸びる傾向にあり、バブル崩壊時も還俗する子とありませんでした。

産油国である中東をはじめとした国際情勢や投機的な動きを反映して原油価格が高騰しがちな近年、導入していた自家発電から商用電源に切り替えるなど、今後の電力需要を伸ばす要因はいくつかあります。しかし、地球温暖化を考えた場合、化石燃料を減らす立場から言えば、電力需要を下げるしかありません。先の大震災でそれまで有力だった原子力を増やすという選択肢がほぼなくなったからです。

さらに、少子高齢化によって人口が減少しますが、それが電力の需要低下という結果になるのか、それともバリアフリー社会の充実に向けて、電力の活躍する場面が増えて需要を挙げることになるのかは、専門家の間でも意見の分かれるところです。

では電気料金の変遷はどうなっているのでしょうか?日本の電気料金は、電力会社を経営する全ての費用(発電・送電から電力販売まで)に一定の報酬割合をくわえたものを元に計算する「総括原価方式」によって決められています。

これにより電力事業の経営は、コスト削減を迫られる必要が無いため、低リスクのビジネスとなり、安心して電源開発などのインフラ整備を進めることができたのです。

国や時代によってお金の価値が異なるため、物の値段を尺度にして比較する「購買力平価」で見ると、日本の電気料金は非常に安定しています。火力発電の燃料となる石油や石炭の化石燃料は、為替レートが大きくものをいいます。かつては1ドル360円に固定されていたいレートが、一貫して円高に進んだことで相対的に電気料金も安くなってきました。

一方、国際競争力を問われる産業部門の電気料金は、円高が不利となり、相対的に電気料金が高くなっています。さらに総括原価方式による過剰投資であるべき価格よりも料金が高いという指摘もあり、他の先進諸国に比べると割高感があります。

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